HMM 1969/2 No.154 ウールリッチ追悼増大号

ウールリッチ追悼増大号にしては、いささか読み応えがない。

題名 作者 評点 コメント
確率の問題 ジェイムズ・クロス 7.5 強盗を返り討ちにした男の裁判を担当する息子をアシストする父。結末は予想できるが、なかなか面白い展開だった。
もう探偵はごめん コーネル・ウールリッチ 7.0 学生時代からのルームメイトの正体に気がつく主人公。ウールリッチならではのムードと展開が良い。
ニューヨーク式結婚 コーネル・ウールリッチ 5.0 離婚写真偽造現場での殺人事件。変な趣向だけで、結末はつまらない。
ねずみ親娘 ジョン・バーク 5.0 口うるさい妻を殺してしまった男は、今度はよりうるさい女たちに苦しむことになるという皮肉な話。
血統 中篇 ディック・フランシス
クラレンス・ダロウは弁護する(3) アーヴィング・ストーン
文士の死 稲葉明雄
幻のウールリッチ 都筑道夫
ノスタルジックな男たち 中原弓彦
たくましい飛越 橋本邦治
1968年日本ミステリ界展望 石川喬司・福田淳・武蔵野次郎
新・進化した猿たち 星新一
男性雑誌による現代アメリカのフォークロア 片岡義男 その7 エスカイアの世界 創刊の日まで(1)
みすてり鳥瞰図 福田淳
地獄の仏 石川喬司
異常感覚歳時記 針谷愛 ネクタイについて
紐育の日本人 平尾圭吾 競馬(その2)
ミステリ英語道場 中内正利
ミステリ診察室
ノンフィクションガイド 青木雨彦 英雄とはなにか
ミステリ鬼検事
海外ミステリ消息 『年間傑作選』バウチャー編ほか
響きと怒り
ミステリ一駒漫画 しかし
まだ見える 梅田秀俊
表紙 表紙の言葉 真鍋博
目次・扉 真鍋博
イラスト 真鍋博・勝呂忠・金森達・山野辺進・中原弘 カット 桜井一・楢喜八
ページ 218ページ
定価 250円

昨年(1968年)亡くなったコーネル・ウールリッチ(1903年12月4日-1968年9月25日)の追悼号ですが、短編2篇にエッセイ3篇とあまり盛り上がりません。今号は16ページ増の増大号でもあるのですが、連載長編「血統」に「おんぶにだっこ」状態。これで価格も20円増では、今ひとつ評価できません。
2ヶ月後の「みすてり鬼検事(読者が選ぶ今月のベスト5)」の結果もそれを示していますね。

1.血統                 4.06  
2.もう探偵はごめん       3.13  
3.ニューヨーク式結婚     2.80  
4.確率の問題            2.33  
5.ねずみ親娘            1.40  
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