こんなときは、自宅で鉄道旅行でもプランニングしよう(2) ( MARS を動かす環境を作る )


“MARS” はDOSツールですが、いまさらMS-DOSマシン実機を動かすわけには行きませんので、Linuxで動くDOSのエミュレータ “DOSBOX” を使用します。
また、“MARS"を使用するには日本語環境が必要ですが、これを簡略化するため先人の知恵をいただきましょう。

簡単に言えば、

日本語化された “FreeDOSのフロッピーイメージ” から不要なファイルを削除、空いたスペースに “MARS” をコピー

これをそのまま動かすという作戦です。


(1) ツールのダウンロード

作業用ディレクトリを用意します。

  • MARS
    作業用ディレクトリに、“MARS” サブディレクトリを作成。
    ここに、SWA ソフトウェア倉庫から、“mars528.lzh MARS for MS-DOS 基本セット v5.28” をダウンロード、解凍します。
  • FreeDOS/V 珠洲版
    FreeDOS/V 珠洲版ダウンロードから、“1.44M2HD版:fdos0138.lzh” をダウンロード、解凍します。

(2) イメージファイルのマウント

解凍した FreeDOS/V 珠洲版 “fdos0138.img” をまずコピーし、Loopデバイスとしてmountします。

cp fdos0138.img fdos_mars.img  
sudo mount -o loop fdos_mars.img /mnt  

この段階で、通常のファイルシステムとして扱えるようになりますので、/mntディレクトリに入り、作業を行います。


(3) 不要ファイルを削除し、MARS用スペースを確保する。

\DOSディレクトリは、下記のファイルを残し、これら以外はすべて削除します。

04GZN16X.FNT  
DISPVB.EXE  
EMM386.EXE  
FONTN.INI  
FONTNX.EXE  
GURI19X.FNT  
HIMEM.EXE  
HIMEMX.EXE  
VESAPAT.EXE  

\SYSは、ディレクトリ全体を削除します。

これで、必要ディスクスペースが空くので、カレントディレクトリにあるMARSディレクトリをコピーします。

$ sudo cp -rf MARS /mnt  

(4) 設定の変更

適当なエディタで、“config.sys” と “autoexec.bat” を書き換えます。

\config.sys

最終行の “device=\dos\pansi.sys” を削除します。

files=20  
buffers=20  
country=81  
dosdata=umb  
device=\dos\himem.exe  
device=\dos\emm386.exe I=B000-B7FF X=E000-EFFF NOEMS  
devicehigh=\dos\fontnx.exe  
dos=high,umb  
devicehigh=\dos\vesapat.exe /JP  
devicehigh=\dos\dispvb.exe /hs  
shellhigh=\command.com /p /e:512 /MSG  
\autoexec.bat

“MARS” 以外のツールを使う予定はないので、自動起動するよう設定します。

@echo off  
path=\mars  
mars  

最後に、アンマウントするのを忘れずに。

$ sudo umount /mnt  

(5) DOSBOXのインストール

$ sudo apt install dosbox  

インストール完了後、一度DOSBOXを起動すると、設定ファイルがホームディレクトリに作成されます。設定ファイル ~/.dosbox/dosbox-0.74.conf の最終行に、作成したイメージファイルを “[autoexec]セクション” に追加しましょう。
/xxxxは、適当なパスに置き換えてください。

[autoexec]  
boot /xxxx/fdos_mars.img  

以上で、セットアップは完了。
この状態で、DOSBOXを起動すれば、“MARS” まで自動で動きます。

Linuxでも ”MARS” が使えるようになりました。

MARS


(参考)Windowsでのセットアップ

DOSBOXのダウンロード

ここから、ダウンロードして、Installerを実行します。

イメージファイルの編集

ND.EXEを使うのが良いでしょう。エクスプローラのように使えますので、“fdos_mars.img” を読み込み、編集処理を行いましょう。

MARS

dosbox.conf

インストール先のディレクトリにあるものを編集します。