マウスコンピューター「WN891」で遊ぼう ( その1 雨降りだから、古いマシンで遊んでみよう )
2020年も、もう7月の終わり。また、例のウィルスが蔓延してきました。大阪でも1日の感染者が200名を越えそうな勢い。6月には、少し外出できそうな雰囲気になったので期待していたのですが、誠に残念な状況になってしまいました。
本来なら、青春18切符でも購入して遠出したいところですが、今の状況では自粛するしかないでしょう。まさか、GoToでもありますまい。天候の方も毎日雨降りばかりで、気が滅入る一方ですね。
こんな日は、退屈凌ぎに古いPCで遊んでみましょう。
取り出してきたのは、マウスコンピュータが2015年に発売した「WN891」というマシン。
一言で言えば、Windowsタブレットですが、その特徴は、キーボード兼カバーが標準装備されていることです。カバー部分を折り畳んで本体のスタンドにするという、Surfaceのような感じですね。
まず、マシンスペックを簡単にまとめておきます。
項目 | 内容 |
---|---|
SoC | Intel Atom Z3735F(4コア4スレッド、1.33GHz/1.83GHz、キャッシュ 2MB、SDP 2.2W) |
メモリ | 2GB(PC3-10600 DDR3L) |
ストレージ | eMMC 32GB |
OS | Windows 8.1 with Bing(32bit)->Windows 10(32bit) |
グラフィックス | プロセッサ内蔵Intel HD Graphics |
ディスプレイ | 8.9型1,280×800ドット(光沢あり)、10点タッチ対応 |
ネットワーク | IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0+LE |
インターフェイス | USB 2.0、Micro USB、Micro HDMI、マルチカードリーダ、ヘッドフォン端子、192万画素前面/背面カメラ、モノラルマイク、モノラルスピーカー |
サイズ/重量(本体) | 231×152×10.9mm(幅×奥行き×高さ)/約481g |
サイズ/重量(キーボード込み) | 231×152×21.0mm(同)/約776g |
バッテリ駆動時間 | 約6時間 |
その他 | MS Office Home and Business 2013 |
価格 | 29,800円 |
CPUは、泣く子も嘲笑うAtomプロセッサだ(笑)。
自分で言っておいて恐縮ですが、Atomというと、それだけで「使いものにならない」と突き放す輩がいますが、それはあまりに短絡的。
PCは、もはや文房具のようなものです。1台ですべてをこなすのではなく、役割を分担した「適材適所」に徹するべきでしょう。
例えば、どこかに出かけようとする場合、車より自転車のほうが都合の良い場所は少なくありません。自転車が「100キロ出せない、高速にも乗れない」からといって、「使いものにならない」と宣う方は、おりますまい。
このマシンの特徴は..
- 標準USBがあること。Micro USBが別にあるので、充電しながらUSBメモリなどを使える。
- microHDMI端子で、外部ディスプレイに接続可能。
- 付属のカバー兼キーボードは、Bluetoothではなく専用のコネクタ接続であること。ブート時から認識し、使い勝手が良い。
- 本体とカバー兼キーボード込みで、約776gと軽量。
- MS Office Home and Business 2013が付属。
PC本体にインストールするフルスペックのOfficeなのが、オフィスワーカーにはありがたい。
当時の価格は、以上すべて込みで29,800円。コストパフォーマンスはかなり高いと言えるでしょう。実際、売り切れ店続出のベストセラーでした。
キーボードとタッチパッドは、ちょっと酷い..
さて、このマシンの特徴であるカバー兼用のキーボードなのですが、残念なことに、この手のマシンにありがちな変態仕様。
たとえば、ESCキーは、上図のように3つのキー(FN+Shift+右上のキー)を同時に押さないといけません。バックスラッシュは、(FN+左上のキー)です。さらに、アンダースコアは、(FN+Shift+:)で入力するのですが、なんとキーボード上に刻印がない(笑)。
という有様で、とてもコードを書こうという気にはなれない構造です。Vimmerなら気が狂うのではないでしょうか。
タッチパッドも一応ついていますが、本当に最低限のことしか出来ません。大昔の2ボタンマウスを想像すればよいでしょう。初めてマウスを使った80年代を思い出しました。「ジェスチャーは?」なんて聞こうものなら、
「ジェスチャー? 柳家金語楼と水の江瀧子が出ていたなあ」
と言われそうなくらい古い(笑)。わからない人は、ジイチャン、バアチャンに聞いてね。
しかし、このような些細な(?)問題さえ克服できれば、それほど打ちにくいキーボードではありません。個人的にブラインドタッチが出来ないおかげで、どんなキーボードにも耐性があるせいかもしれませんけど。
プレゼン用に愛用していた2年間
ここまで、褒めているのか、けなしているのかよくわからない文章になっていますが、このマシン、2015年半ばに購入、2年少し愛用していました。当時、週に1回程度、簡単なプレゼンや説明をする機会があったので、その際に使用するマシンとして重宝したものです。
- 軽量なので、持ち運びが楽。
- プレゼンといえば、PowerPoint。
- 資料を、HDMI経由で直接プロジェクタに出力。
そのうえで、議事内容をEditor(Emacs)でメモしておき、議事録にしてメールすれば完了、というわけです。
このような用途なら、今でも十分に使えるでしょうが、プレゼン機会の減少と共に、このマシンの使用率も激減。ここ数年は、全く触らず、存在すら忘れていました。
さて、こういう制約のあるマシンを、それなりに使えるようにするのは結構面白いものです。まずは、Windows10のクリーンインストールから、やってみましょう