マウスコンピューター「WN891」で遊ぼう ( その5 Windows10とLinuxのデュアルブートにしてみる )
前回は、WN891にXubuntu20.04をインストールしてみました。
モバイルLinuxマシンとして、なんとか使えるレベルではと思いますが、同時にWindows10としても使いたいというニーズがあるかもしれません。MS Officeはもちろんですが、最近ではテレワークが注目されていますから、「SkypeやZoomを内蔵カメラ経由で活用したい」というケースも想定されます。
今回は、これらに答えるべく、Windwos10とXubuntu20.04のデュアルブート環境にチャレンジしてみましょう。
(1) ディスクの縮小
まずは、クリーンインストールを再度実施します。完了後、Windows10を縮小して、Xubuntuインストール用のディスクを確保します。
[スタート]ボタンを右クリックし、メニューから「ディスクの管理」を選択します。[C]ドライブの部分を右クリックし、表示されるメニューから「ボリュームの縮小」をクリックします。
「縮小する領域のサイズ」という項目に、確保したいサイズをMBで入力します。
今回は、”8500MB”を指定しました。前回のXubuntu20.04インストール完了後が7G強ですから、この程度にしておきます。
(2) インストールの実行
ここからの作業は、前回の「Xubuntu 20.04をインストールしてみる」と、下記を除いて同一です。
- 途中の「インストールの種類」の画面では、今回はすでにWindows10が入っているので、「ディスクを削除してXubuntuをインストール」ではなく、「それ以外」を選択する。
- 次画面で、先に作成した”8500MGのディスク”を選択、利用方法を「ext4ジャーナリングシステム」、「パーティションの初期化」をチェック、「マウントポイント」には”/”を設定する。
下部の「ブートローダのインストールデバイス」の設定には、悩みました。
WN891は”GPT/EFI”ですから、先頭パーティションであるESP(EFI System Partition)にブート情報を入れるのですが、このパーティションを指定するべきのか、あるいはマウントポイントを設定しないといけないのか、などなど。
結論から言ってしまうと、「何もしなくても、インストーラが適切に処理してくれる」ということです。インストール完了後の、”/etc/fstab”を覗いてみましょう。
# /etc/fstab: static file system information.
#
# Use 'blkid' to print the universally unique identifier for a
# device; this may be used with UUID= as a more robust way to name devices
# that works even if disks are added and removed. See fstab(5).
#
# <file system> <mount point> <type> <options> <dump> <pass>
# / was on /dev/mmcblk1p5 during installation
UUID=bb8eca36-a36b-40ad-a47d-4bd606dbd513 / ext4 errors=remount-ro 0 1
# /boot/efi was on /dev/mmcblk1p1 during installation
UUID=B0BB-E925 /boot/efi vfat umask=0077 0 1
/swapfile none swap sw 0 0
下から3行目にありますように、インストーラがESPを ”/boot/efi”にmountしてくれています。
(3) スタートアップ
インストール完了後に再起動すると、grubの画面が縦画面として現れます。(下の画像は、回転させています。)
見づらいですが、Windows10のエントリもありますので、そちらを選択すれば、Windows10も起動可能です。なんとか、デュアルブートの環境が構築できました。
(4) ツールの削除と導入
ここからは、自分なりの環境を整備します。ひとりよがりのモバイルPC ( その8 Linux DeployによるDebianのインストール アプリケーションの導入 )と同様の処理を行ってみました。
(4)-1 不要ツールの削除
LibreOfficeとThunderbirdを削除して、使えるディスク容量を増やします。
~$ sudo apt-get remove --purge libreoffice*
~$ sudo apt-get remove --purge thunderbird*
~$ sudo apt-get clean
~$ sudo apt-get autoremove
(4)-2 基本ツールのインストール
Emacsと、gccなどの開発ツールを導入します。
~$ sudo apt update
~$ sudo apt -y install emacs emacs-mozc
~$ sudo apt -y install build-essential gparted nkf rar git curl
(4)-3 python3環境の構築
python3は、pyenvを使用してhomeディレクトリに導入、python2との競合を防ぎます。
~$ git clone https://github.com/yyuu/pyenv.git ~/.pyenv
~$ sudo apt install -y libffi-dev libssl-dev zlib1g-dev liblzma-dev
~$ sudo apt install -y libbz2-dev libreadline-dev libsqlite3-dev
~/.bashrcに下記を追加します。
export PYENV_ROOT=$HOME/.pyenv
export PATH=$PYENV_ROOT/bin:$PATH
eval "$(pyenv init -)"
上記を反映。
~$ source .bashrc
python3のバージョンを選択、インストールします。
~$ pyenv install --list
候補一覧が出力されるので、3.8.5を選択
~$ pyenv install 3.8.5
pyenvによるインストールは、ソースコードをコンパイルしているので、それなりの時間がかかります。完了後、全体に適用します。
~$ pyenv global 3.8.5
pandasも導入しましょう。
~$ pip install pandas
最後に
なんとか環境を作ってみましたが、やはり32Gのディスクでは辛いですね。Xubuntu環境では、Java辺りを追加で導入すると、ディスク使用率は80%以上になってしまいます。今回はこのブログをメンテできる環境を目標にデータまで入れてみましたが、これをSDカードに逃がせば、もう少し空きますが。
Windows10は残り4Gほどですが、大型アップデートに対応できるのでしょうか。USBメモリを使って、なんとかなることを祈りましょう。
あまり、実用的な環境ではないかもしれませんが、こういう不自由な環境で遊んでみるのは楽しいものです。今年(2020年)の5月に出たドンキのNANOTEなんかが恵まれた環境に見えるくらいです。このマシンも面白そうなので、入手したかったのですが、売り切れのようですね。年末に新版が出るという噂もあるようなので、期待しています。