Android黎明期のクラムシェルたち ( その4 LifeTouch Noteを98Noteに )

LifeTouch Noteで、DOSエミュレーションを動かす


さて、LifeTouch Noteの用途として一番面白いのは、DOSのエミュレータではないでしょうか。先に、LifeTouch Noteはあまり熱心に使わなかったと述べましたが、これは例外。

LifeTouch Noteは、このためにあるのではないか

とさえ思っています。

なんといっても、このマシンの”800x480”という貧弱な解像度が、DOS環境にピッタリなのです。古いPC98の画面解像度は、”640x400”ですが、これをエミュレータで全画面に拡大してみるといい感じで、違和感なくフィットします。

まさに

コンパクトな98Noteを使っている

ような感覚なのです。

いまどき、ノートPCでカラー画面は当たり前ですが、90年はじめのノートPCは、ほとんどモノクロ。
そのような状況から、NECが世界に先駆けてPC98ノートのカラー版を出したのは、1991年だったと記憶しています。いま検索してみると、こちらに紹介記事がありました。
当時のノートの薄暗い液晶画面に比べると、その鮮やかさには目を奪われたものです。それ以上に印象に残っているのは、その価格。上記記事によると、598,000円とあります。とても個人に手が出る金額ではありませんでした。

いま、LifeTouch NoteでPC98エミュレータを動かしてみると、そのような思い出が走馬灯のように駆け巡ります。憧れだったカラーノートを手にした、そんな感じですね。
今回は、そんな人間の懐古録です、郷愁だな。


PC98エミュレータ ”NP2 for Android”

AndroidでPC98を動かすのであれば、NP2 for Androidしかないでしょう。このサイトでは、APKで提供されているので、LifeTouch Noteにも問題なく導入できます。
導入とその後のセットアップについては、このあたりのサイトなどを参考にしてください。

PC98のソフトウエアなど、その時代を過ごした人間しか記憶にないでしょう。ほとんどがフロッピーベースですが、今やフロッピーを知らない方もいるかもしれません。ちなみに、わたしは、いまだ200枚ほど持っています。かなりの部分はイメージファイルに変換しましたが、そのまま放置している分も少なくありません。

NP2で、往年のPC98アプリを動かしてみる

まずは、ビジネスアプリ。

ワープロといえば、一太郎。これはVer4の起動画面です。比較的軽量だった前バージョンのVer3に比べ、機能が相当拡張され、要求されるマシンスペックがかなり高くなったことから、当時はその施策を問題視する見方もありましたね。

Lifetouch

そのせいもあって、昔はこのロゴをじっくり眺められるくらいスタートアップに時間がかかったものですが、現代のNP2では瞬時に消えてしまい、スクリーンショットを取るのにも苦労したほどです。時の流れを感じます。

これは、データベースソフトの「桐」。当時は使っていなかったのですが、後年中古を安く入手しました。個人的に使い込んだわけではないので、今ひとつ良さがわかりません。

Lifetouch


次はゲームを..

いま、PC98といえばレトロゲーム用途がほとんどでしょう。

今も続いている「信長の野望」。これは「覇王伝」かな。根気のないわたしは、何回トライしても最後まで行けません。

Lifetouch

これはPC98後期に出たアドベンチャーゲーム「EVE burst error」。エミュレータで遊ぶのであれば、このようなゲームが最適のような気がします。

Lifetouch


改めて使ってみると..

実は、NP2を使ったPC98環境で遊んでいたのは、LifeTouch Noteを購入した2012年ころで、ここ数年は放置しておりました。今回再度取り出してみたわけですが、その再現性の高さに改めて感心しました。

それ以上に、複雑な構成のアプリやゲームを、わずかフロッピー数枚レベルで動かしていた当時の技術者の方々には、今更ながら敬意を払わずにはおられません。