Yoga Bookに悪戦苦闘 ( その3 Yoga Book専用Windows10インストールメディアの作成 )

XDAの記事は、まさにズバリの内容だった。



前回、Yoga BookにWindows10をクリーンインストールして苦労した経緯をまとめてみましたが、これはわたしのYoga Bookだけの問題ではなく、その悩みは万国共通のもので、XDAには、この問題解決にズバリ答えた内容のスレッドがありました。

ようするに、「Yoga Bookに必要なドライバーをまとめて、それを含んだWindowsインストールメディアを作成しよう」という趣旨ですね。大変結構な内容なので、前回の段階でも注目したのですが、肝心のダウンロードファイルがリンク切れだったので、最後まで読まずに放置してしまったのです。
しかし、「続きを読まなかった」のは、大きな失着でした。このスレッド、何と16ページもあるのですが、その14ページに改訂版への新たなリンクが貼られていたのでした。

ここからは、ドキュメントも必要なファイルもしっかりダウンロードすることが出来ます。というわけなので、今回はこれを実行してみましょう。


[1] インストールメディア作成の概要

PDFによるガイドに、すべて書かれていますから、それで十分なのですが、以下日本語で簡単にまとめておきます。

必要ツール

まずは、

  • ファイルの解凍に使う 7-Zip
  • インストール媒体への書き込みに使用する Rufus

有名なツールですので、こんな作業をやる方はほとんどインストール済みでしょう。

今回の作業に関わるのは、

  • 上記サイトからダウンロードする Yoga Book Setup Files
  • インストールメディアのカスタムを行う NTLite

の2つです。

NTLiteは簡単に言うと、「Windowsのインストールメディアに色々な変更を加えて、ニーズにあったものにカスタマイズ」するツールです。
今回の例で言えば、「Windows用インストールISOファイルに対し、事前にYoga Bookが必要とするドライバーなどをマージ、Yoga Book専用のインストールメディアを作成する」ということになります。


[2] 手順

まずは、ダウンロードしたWindows10インストール用ISOファイルを、7-Zipで解凍します。ここをWindows10x64とでもしておきましょう。解凍済みのISOファイルは、他の場所に退避しておいてください。同様にYoga Book Setup Files.zipも解凍します。

手順としては、Windows10x64の中にYoga Book Setup Filesの内容をインジェクションしていくことになります。具体的には、Yoga Book Setup Files内のディレクトリにある以下のファイルを順番に導入していくわけです。

sources                   (1)  
Boot.wim Drivers          (2)  
Mount Directory Files     (3)  
Install.wim Drivers       (4)  
RegistryEntries.reg       (5)  

それでは、上記の番号順に説明していきます。

(1) sources

これは簡単。Windows10x64のルートに、Yoga Book Setup Files内のsourcesディレクトリをコピーします。

(2) Boot.wim Drivers

ここからの作業は、NTLIte上の作業になりますので、事前にインストールしたNTLiteを起動します。

下記の手順を実行します。

  • Windows10x64ディレクトリを、NTLite上にドラッグアンドドロップ。
  • 「起動/セットアップ | boot.wim」をダブルクリック。
  • Microsoft Windows Setup (x64)をダブルクリックし、待機。
  • NTLite画面の左サイトにある「ドライバー」をクリック。
  • Yoga Book Setup Files内のBoot.wim Driversディレクトリをドラッグアンドドロップ。
  • NTLite画面の左サイトにある「変更の適用」をクリック。
  • 「ログとプリセットをバックアップしないでください」を選択し、残りはデフォルトのままにしておく。
  • トップにある「プロセス」をクリックし、終わるまで待機。

(3) Mount Directory Files、

  • 左サイドの「ソース」をクリック。
  • 「オペレーティングシステム | install.wim」の下にある該当するWindowsのバージョン(通常はHome Edition)をダブルクリックし、完了まで待機。
  • ロード完了後、先のWindowsのバージョンを右クリックして、「マウントディレクトリをエクスプローラーで表示」を選択。
  • ディレクトリが表示されるので、ここにYoga Book Setup FilesMount Directory Files内のファイルをすべて選択し、NTLiteが表示している画面に貼り付ける。

(4) Install.wim Drivers

  • 左サイドの「ドライバー」をクリック。
  • Yoga Book Setup Files内のInstall.wim Driversディレクトリをドラッグアンドドロップ。

(5) RegistryEntries.reg

  • 左サイドの「レジストリ」をクリック。
  • Yoga Book Setup Files内のRegistryEntries.regファイルをドラッグアンドドロップ。
  • 変更の適用」をクリック。
  • 「保存モード」は「イメージを保存してエディションをトリミングする」を選択。
  • 「イメージ形式」は「標準、編集可能(WIM)」が選択されていることを確認。
  • 「ログとプリセットをバックアップしないでください」が選択されていることを確認。
  • 「ISOを作成する」をクリック。NTLiteが保存ファイル名を聞いてくるので、Win10Yoga.isoのような適当な名前を入力。同様にラベルにも名前を入力。
  • プロセス」をクリック。結構な時間がかかるが待機。

以上で、ISOファイルが作成されるので、後はこれをRufusでUSBあるいはSDカードに焼けば、Yoga Book専用Windows10インストールディスクの完成です。


[3] Windows10のインストール

ここからは、前回と同じ手順でインストールを行います。
ISOファイルを替えたからと行って、「Yoga分身の術」は変わリませんので、HDMIで外部ディスプレイに接続しないと満足な作業を行うことは出来ません。

ただ、ここからの動作は大幅に改善しています。
Windows10標準のインストールでは、Windows Update適用まで、Haloキーボードが使用できませんでした。ところが、今回のインストールでは複数回の再起動を繰り返した後に、Haloキーボードは自動的に有効化、使用可能となりました。

下記にインストール完了後の「デバイスマネージャー」の画面を示します。

バイブレータ、キーボード、センサーなど必要なドライバーがインストールされており、「不明なデバイス」は一つもありません。


前回釈然としない形で実施したWindows10のクリーンインストールでしたが、今回はなんとかきっちり完了できたので、気分的にスッキリしました。
しかし、このYoga Bookですが、結局積極的に使う気にはなれませんね。Haloキーボードの革新性は認めますが、何といっても使いづらくて違和感を拭えません。また、BIOSレベルでは認識しないので、他のOSをインストールするような遊びが出来ないのも残念です。