コナンと焔の短剣 ( ロバート・E・ハワード )
鬼神のごとく、ただ大暴れするだけのコナン。そんな作品にうんざり。
| 題名 | 作者 | 評点 | コメント |
|---|---|---|---|
| 黒い涙 | スプレイグ・ド・キャンプ、リン・カーター | 5.5 | 砂漠で瀕死状態を助けられたコナンは、謎の悪霊に立ち向かう。平凡な展開。 |
| ザムボウラの影 | ロバート・E・ハワード | 6.0 | 食人種から助けた女の頼みに乗ってしまうコナンだが、ラストではしたたかな面を見せる。ただ、悪役の迫力が今ひとつ。 |
| 鋼鉄の悪魔 | ロバート・E・ハワード | 5.0 | 惹かれた女を奪いに行くコナンを待つ魔物。ありきたりの展開でつまらない。 |
| 焔の短剣 | ロバート・E・ハワード、スプレイグ・ド・キャンプ | 4.0 | 長々と活劇が続くだけでつまらない。 |
創元推理文庫(Lancer Book)版コナンシリーズの第4巻で、4作品が収録されています。その中で半分のページを占めるのが、「焔の短剣」なのですが、これは本来コナンシリーズとして書かれたものではないようです。編者のスプレイグ・ド・キャンプは序文で下記のように語っています。
現代の事件を太古の世界に移し、登場人物の名をコナン物語にふさわしいものに変え、時代的 矛盾のある個所を削除し、超自然的要素を導入した。(中略)
なかでもっとも長文のものが、本巻に収録した『焰の短剣』である。これはもともと、ハワードが一九三四年に、現代のアフガニスタンを舞台にして、四万二千語の中編に書きあげたもので、 題名を『三つ刃の剣の呪い』としてあった。主人公のフランシス・X・ゴードンは、闘争好きの 精悍なアイルランド人で、東洋を舞台にしたハワードの作品にしばしば登場している。この物語は現代の衣裳をまとっているものの、主人公ゴードンの手で暴露される結社の性格は、やはり中世に流行した暗殺者団体の復活である。この作品は書きあげられた当時、発表誌を見出すことができなかった。そこでハワードは、その翌年の一九三五年に、二万四千語に圧縮したが、それもまた、編集者の採用するところとならなかった。 この原作には、ハロルド・ラムとタルボット・ マンディの影響が見られる。それはともかくとして、わたくしたちの筆が加わった『焰の短剣』 は三万一千語のもので、量的にはハワードのオリジナル作品二編のだいたい中間にあたる。
とのこと。要するに、2回もボツになった作品をコナン物として書き換えたということですから、レベルを上げるのは至難の業でしょう。
また、この巻に収められた作品は、ハワードのオリジナルも含め、コナンの超人ぶりがあまりに顕著で、いささかうんざりさせられました。
創元推理文庫 1972年5月26日 初版 1982年4月9日 再版 326ページ 430円