怪奇小説傑作集2 -英米篇2 ( 平井呈一編 )

現代では通用しない古臭く陳腐な作品にうんざり。


題名 作者 評点 コメント
ポドロ島 L・P・ハートリイ 4.0 結末が理解できない。
みどりの想い ジョン・コリア 6.0 植物化した男から見る描写が面白いが、ラストは今ひとつ。。
帰ってきたソフィ・メイスン E・M・デラフィールド 3.0 盛り上がりのない幽霊譚。
船を見ぬ島 L・E・スミス 4.0 抜け出せない島に漂流した男。何のひねりもないつまらない話。
泣きさけぶどくろ F・M・クロフォード 2.0 長々とつまらん話。うんざりだ。
スレドニ・ヴァシュタール サキ 6.0 特にひねりもない展開だが、少年の描写がうまい。
人狼 フレデリック・マリヤット 4.0 狼に取り憑かれた男の話だが、結末が陳腐だ。
テーブルを前にした死骸 S・H・アダムス 6.0 雪山に閉じ込められた二人の男。短くまとまっているのがありがたい。
恋がたき ベン・ヘクト 6.0 腹話術師と人形の諍いをうまく描いているが、ラストにもう一ひねりほしい。
住宅問題 ヘンリー・カットナー 7.5 自室の鳥かごを隠す下宿人。その不在時に覗き込んだ夫妻だったが..。悪くないファンタジー。
卵形の水晶球 H・G・ウェルズ 4.0 水晶玉を売り渋る骨董商。科学者はその意図を探るのだが..。結末にがっかり。
人間嫌い J・D・ベレスフォード 8.0 幻想と怪奇 1 <英米怪談集> で読了済。
チェリアピン サックス・ローマー 4.0 特殊な加工法を発明した博士の話なのだが、陳腐で盛り上がらない。
こびとの呪い E・L・ホワイト 7.5 これは有名な話。さすがに読ませる。

前回、とても「傑作集」と言えないのでがっかりした「怪奇小説傑作集」。今回は少しはマシなものの、やはりとても現代で通用するレベルでない作品が多く、読み通すのには苦労しました。
その中にあって、J・D・ベレスフォードの「人間嫌い」は、よく出来た話なのですが既読。これを除くと、それなりに評価できるのは、ヘンリー・カットナー「住宅問題」、E・L・ホワイト「こびとの呪い」の2篇のみ。「傑作集」と謳うのであれば、佳作が占めてほしいものですが、これではあまりに歩留まりが悪すぎます。


東京創元社 1969年3月5日初版 1986年8月8日39版 382ページ 480円