EQMM 1960/8 No.50 50号記念特大号・ウールリッチ特集・読者への挑戦 第3弾

飛び抜けた作品はないが、中盤まではバラエティに富んでいて楽しく読めました。

題名 作者 評点 コメント
内幕話 コーネル・ウールリッチ 6.0 ありがちな筋書きだが、ラストはクスリとさせる。
だれかの電話 ウイリアム・アイリッシュ 5.5 今ひとつ落ちが効いていない。
グラントの墓にあった死体 コーネル・ウールリッチ 6.5 後味の良い物語だが、もう少しひねりが欲しかった。
煙の環 クレイグ・ライス 7.5 見開き2ページの落語。妙にツボにはまった。笑えます。
これが人生だ シャーリイ・ジャクスン 6.5 少年と女のやり取りが良い。
徘徊巡査 トマス・ウォルシュ 5.5 少しごたついている。
さよなら、ハナ スティーヴ・フィッシャー 4.0 何が書きたいのかよくわからん。
音響効果殺人事件 クレイトン・ロースン 5.5 解決編をカンニング。これはわかりません。
仮装殺人 ベン・ヘクト 8.0 筋書きは少し読めるが、変人心理学者の推理とストーリー展開が面白い。読者を安心させるラストもよい。
小説エラリイ・クイーンズ ミステリ・マガジン(注) 都筑道夫 5.0 はっきり言って見劣りします。
狩猟日和り ヒュー・ペンティコースト 7.0 少年と犬が出てくる話は鉄板だ。ミステリ的に今一つなのが残念。
青い殺し屋 ウィルバー・D・スティール 4.0 つまらない。
手のうちにある殺人 ロイ・ヴィカーズ 5.0 この作家の作風は、ラストにひとひねりないと面白くない。
殺人犯にご用心 クェンティン・レナルズ 6.0 ラストは少し面白いが、予想通りの終わり方だ。
恥目家の亡霊 安永一郎 5.0 英訳して恥をかかないで良かった。
うまい話 結城昌治 7.5 軽妙なタッチから最後は怪談風。少し検討はつくもののよくできている。成長したなあ。
隣の椅子(22) 有馬頼義
バック・シート 中村真一郎 ロバート・ブロック「気ちがい」
紙上殺人現場(その八) 大井広介
EQMM翻訳紳士録<5> 井上一夫氏
ミステリラウンジ(6) 扇谷正造 佐野洋「透明な暗殺」
ミステリニューウェイブ Sin
ミステリ・オン・ザ・ウェイブ 刺片子 ミステリとスターシステム
東京三面鏡(4) 青木雨彦 事件記者日記
探偵小説風物誌 中内正利
表紙 稲垣行一郎
カット 勝呂忠・真鍋博
ページ 208ページ
定価 150円 地方155円
  • (注)
    「おとなしい兇器」「百万にひとつの偶然」「あんたにそっくり」「探偵作家は天国へ行ける」「逃げるばかりが能じゃない」以上五作をモチーフにした見開きショートショート五編。

  • 「読者への挑戦」第1回当選発表
    千五百四十一通の解答で、正解は五百二十六通とのこと。
    入選(三万円)が一人(名前と住所まで載っているが、省きます)。
    残念賞 三十名にハヤカワ・ミステリ各一冊となっている。

  • 50号まで到達!
    まだまだ飽きません。