HMM 1966/11 No.127

バラエティに飛んだ短編にラストはセイント物中編。楽しく読めました。

題名 作者 評点 コメント
作家と批評家 ロバート・セネデラ 6.0 認めている作家を撲殺した批評家。世俗的な動機に笑ってしまう。
ミス・フィップス新聞社を相手どる フィリス・ベントレー 7.0 ほのぼのとしたミステリ。楽しく読めます。
ギリシャ悲劇 リング・ラードナー 6.5 レスリング中のやり取りが妙におかしく笑える。
ラブレター C・B・ギルフォード 5.0 妻のラブレターを発見した男。オチがわかりません。
旅する人 レイ・ブラッドベリ 8.0 他人に乗り移れる少女と不思議な一家の話。設定が面白いし、ラストも良い。
幕前狂言 レックス・スタウト 5.0 配役をめぐる殺人なのだが、ゴタゴタしていてまとまりが悪い。
寡婦のタバコ ロバート・L・フィッシュ 7.0 シュロック・ホームズ物。今回もよく考えられている。
青眼鏡の男 マイケル・ハリスン 5.5 デュパン贋作。少し考えすぎた構成だった。
お先にどうぞ マック・モリス 4.0 よくわからんオチ。
セイントと謎の故買人 レスリー・チャータリス 7.5 謎の故買屋を追うセイントは危機一髪から逆転。犯人の検討はつくがなかなか面白い。
馬に乗った水夫8 アーヴィング・ストーン
進化した猿たち 星新一
地獄の仏 石川喬司
紙上殺人現場 大井広介
現代のアメリカ風物 中内正則
私の好きなベスト5 稲葉明雄
翻訳権今昔20年(4) 宮田昇
hmm5番館 大伴昌司
新着書紹介
現代アメリカの風物 中内正利
ミステリ名簿 大伴昌司
響きと怒り
閉ざされた出口 梅田秀俊
表紙 表紙の言葉 真鍋博
目次・扉 真鍋博
カット 勝呂忠・真鍋博・杉村篤・新井苑子・金森達・池田拓
ページ 202ページ
定価 200円

今号は巻末の「セイントと謎の故買人」を柱に、ホームズ、デュパンのパロディ、ブラッドベリのファンタジックなストーリーと読ませる作品が多く、楽しい時間を過ごせました。
この当時の007を代表にしたスパイ小説ブームは、現在では陳腐化しているので、なんとか早くそこから脱却してほしいものです。次号以降にも期待しておきましょう。