ひとりよがりのモバイルPC ( 番外編 Galaxy Tab S 8.4 ( SC-03G ) 文鎮からの復活 )
SC-03Gのアプリケーション一覧を見ると、どう考えても使わないDocomoのクソ、もとい、Docomo謹製のアプリが多数を存在することに気が付きます。幸か不幸か、このマシンはRootを取っているので、これらのアプリを削除したくなるのが人情というものでしょう。最初は順調、ツールで削除し再起動してディスクを整理していたわけです
しかし好事魔多し、とある日のことでありました。作業時に少しアルコールが入っていたので、注意力散漫だったのかもしれません。
調子に乗って不要と思われるアプリを削除、再起動してみると、...
そう、表題にあるように悲劇が起こったのであります。
起動時にSamsungのロゴが出た状態から進まず、時々ジーという小さな異音が聞こえるという状態に陥ってしまったのでした。完全にループ状態ですね。しかたがないので、まずは電源を落とそうとしたのですが、なんと電源キーも効かない。そう、電源を切ることすら出来ないのです。
やっちまった。SC-03G、文鎮となりはててしまった。
英語では、Brickになると言うらしい、レンガ化ですね。まあ、どうでもいいですけど。
電源も切れないので、そのまま放電するまで放置するしかありません。
さてどうする
放電されるまでに、これからの手順を考えます。この状態になってしまったら復旧は難しいので、工場出荷時のROMを探し出し、それを書き込むしかないでしょう。また、そのROMを焼くツールも必要です。早速、ツールを探索していきましょう。
(1) ODINの入手
まず、ROM焼きですが、ありがたいことにSamsung製のハードウエアには、メーカー純正のROM焼きツールがあります。
その名もODIN。有名なツールなので、WIKIPEDIAに説明まであります。
Odin is a utility software program developed and used by Samsung internally which is used to communicate with Samsung devices in Odin mode (also called download mode). It can be used to flash a custom recovery firmware image (as opposed to the stock recovery firmware image) to a Samsung Android device. Odin is also used for unbricking certain Android devices.
最後に書いてありますね。「ODINは文鎮からの復活にも使用される」とね。
下記からダウンロードしておきます。Windows用のツールなので、実行にはWindowsマシンが必要になります。
ダウンロードした下記のZipファイルを適当な場所に展開しておきます。
Odin3_v3.14.4.zip
(2) USB Driverの入手
WindowsマシンにUSBケーブルをつないで実行するので、USBドライバーが必要になります。これもSamsung用のものがありますので、下記からダウンロードします。
下記のファイルがダウンロードされるので、実行しインストールしておきます。
SAMSUNG_USB_Driver_for_Mobile_Phones.exe
(3) ROMの入手
SC-03GのROMは下記から入手します。
ボックスにSC-03Gと入力すると候補が出てくるので、それをクリック。
すると、一覧が出てくるので、一番上にあるFull Filesを選択します。
下記の画面になるので、Download on Browserをクリックすると、ダウンロードが始まります。
Samfw.com_SC-03G_DCM_SC03GOMU1CQL1_fac.zip
このファイルがダウンロードされるので、適当な場所に解凍しておきます。
ROM焼きの手順
(1) ODIN
まず、ODINを起動します。特別なインストールは不要で解凍したファイル内にあるEXEファイルを実行するだけです。下記のような画面が出てくるはずです。
ODINでは、下記のようなAndroidマシンの各部分にイメージを書き込みます。
BL : Boot Loader
AP : Android Partition
CP : Core Processor
CSC : Consumer Software Custamization
USERDATA : User data
先にダウンロードしたSamfw.com_SC-03G_DCM_SC03GOMU1CQL1_fac.zipを解凍すると、下記の4ファイルが出てきますので、ODINの各部分(USERDATAを除く)にこれらのファイルを設定していきます。何を指定するかはファイル名を見れば明らかですね。
AP_SC03GOMU1CQL1_CL12630263_QB15934754_REV00_user_low_ship_MULTI_CERT.tar.md5
BL_SC03GOMU1CQL1_CL12630263_QB15934754_REV00_user_low_ship_MULTI_CERT.tar.md5
CP_SC03GOMU1CPL5_CL10055159_QB11922761_REV00_user_low_ship_MULTI_CERT.tar.md5
CSC_DCM_SC03GDCM1CQL1_CL12630263_QB15934754_REV00_user_low_ship_MULTI_CERT.tar.md5
下記のような画面にしておきます。
(2) SC-03G
放置しておいたSC-03Gは、放電完了したようで画面が消灯しているようなので、まずは再度充電しておきます。途中で軽く電源ボタンを押すと、充電状態が表示されるので、ハードウエア的な問題はないようです。
バッテリーが十分に充電できたら、Home+Volume Downを押した状態で電源ボタンを押します。
すると、上の画面になるので、続けてVolume Upで、Downloadモードに入り、USBケーブルでWindowsマシンと接続します。
ここまで来たらあとは、Windowsマシン上のODINにて、Startボタンをクリック、ROM焼き処理を実行します。完了すると、自動的にSC-03Gが起動、初期設定の画面になるはずです。
復活しました
なんとかなりました。やはり、グローバルなモデルはこのあたりが充実しているのがありがたいですね。SC-03Gを所有されている方は、上記のツールを入手しておくと、何かあった時に安心です。
さて、このSC-03Gですが、2019年の半ばに入手、もう3年以上使用しておりますが、この時期がコロナ禍まっただ中だったということで、モバイル用途に使ったことはほんの数回にすぎません。しかしながら、このマシンはYoutubeやPrime Videoなどの動画観賞用として非常に重宝しており、極めて満足度の高いマシンとして評価しています。
SC-03Gの発表は2014年12月のようですので、すでに10年近く前のものなのですが、8.4インチの有機ELデイスプレイ搭載、解像度はWQXGA(1600x2560)というスペックは、動画マシンとしては現在でも通用するレベルでしょう。8インチを超える大きさにも関わらず、重さは300グラムを切っていますので、ブックリーダーとしての用途にも最適です。
まあ、Androidのバージョンは6どまり、メモリ3G、ストレージ32Gというスペックに時代を感じることは否定できませんけどね。