日本ミステリーベスト集成２ 戦後篇 ( 中島河太郎編 )
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ベスト集成には見合わない作品揃いでぱっとしません。
| 題名 | 作者 | 評点 | コメント |
|---|---|---|---|
| 冥府の使者 | 高木彬光 | 6.5 | [講談倶楽部 昭和25年3月]記憶喪失の女を巡る殺人事件。通俗的だが読ませる。 |
| 白い密室 | 鮎川哲也 | 7.5 | 探偵小説年鑑で読了済。 |
| 消えた家 | 日影丈吉 | 6.0 | [別冊宝石 昭和38年12月]死者は語らず 宝石傑作集１・本格推理編で読了済。 |
| 雨男・雪女 | 大坪砂男 | 4.0 | [宝石 昭和26年7月]とりとめのない話。 |
| 経営学入門〈トリック社興亡史〉 | 土屋隆夫 | 6.0 | [宝石 昭和28年10月]トリックを売る男の顛末。ラストが今ひとつ冴えない。 |
| 掌にのる女 | 朝山蜻一 | 3.0 | [あまとりあ社 昭和31年6月]相変わらずの変態小説。こんな話がベスト集成に載っていいのかな。 |
| 悪魔の函 | 鷲尾三郎 | 5.5 | [富士 昭和28年4月]密室殺人傑作選 競作シリーズ３で読了済。 |
| 死者の呼び声 | 山田風太郎 | 5.0 | [面白倶楽部 昭和27年8月]二重三重の展開が複雑過ぎるし、ラストにまとまりがない。 |
| 駒形通り | 三橋一夫 | 7.5 | [年月不詳]急に中世に飛ばされた男の幻想譚。ほのぼのとしたラストまで楽しく読める。 |
| 獄衣の抹殺者 | 楠田匡介 | 6.5 | [探偵実話 昭和33年11月]宝石を持ち逃げした男は不思議な手紙に怯える。ラストが今ひとつ。 |
| 愚者の毒 | 島田一男 | 4.0 | [小説公園 昭和27年10月]夫をヒ素で毒殺しようとする女。男はその逆手を撮ろうとするのだが。何のオチもなくつまらない。 |
| 海から来た妖精 | 香山滋 | 5.0 | [面白倶楽部 昭和28年8月]夫妻の間に迷い込んできた不思議な少女。残念ながら魅力に乏しい。 |
| 毛骨屋親分〈寝ぼけ署長第七話〉 | 山本周五郎 | 7.0 | [新青年 昭和22年9月]まるで東映のヤクザ映画のような筋書きだが、楽しく読めます。 |
先の「日本ミステリーベスト集成１」では「落ち穂拾いアンソロジー」という感想を述べましたが、今回も前回同様の感を強くしました。
前巻には見られなかったレベルの低い作品も散見され、今回は「タイトルが泣くアンソロジー」といったところでしょうか。「日本探偵小説ベスト集成」と名乗るからには、もう少し印象に残る作品を揃えて欲しかった気がします。
徳間文庫 1984年9月15日 初刷 378ページ 480円