EQMM 2023/06 No.6 EQMM作家別作品リスト(ル〜終)

作者 題名 評点 コメント
シンクレア・ルイス 柳のある道 5.0 後半が宗教臭い話になってしまった。 1961-08-062
幽霊パトロール 6.5 昔気質の警官の話。古い浪花節だが、悪くない。 1962-07-073
ケリイ・ルース 打ちそこなったゴルフ・ボール 6.5 平凡なお話。 1957-11-017
リック・ルービン 編集者を憎む男 5.0 ありふれたプロット。 1961-03-057
メッケネルの鬼 7.5 復讐手段が面白い。 1961-11-065
霧と断崖 4.0 車強奪一家の中で育った少年は良心に目覚める。暗くてぱっとしない話である。 1962-09-075
アルプス追跡 5.0 宝石泥棒を追い詰める探偵。ラストが陳腐で面白くない。 1963-03-081
ウェス・ルーピン 真実の瞬間 5.5 よくある話。 1959-09-039
ヴァージニア・レイエフスキー 被告の告白 2.0 下品でわけのわからない話を、さらに下品な訳で読まされるとは。 1963-08-086
エド・レイシイ 減量 7.0 ラストはくすりと笑わせる。 1959-04-034
5セントと20万ドル 6.0 思わず呆れてしまう展開はギャグだね。 1963-05-083
O・H・レスリー 不在証明 6.5 スレッサーらしい作品。 1958-11-029
スティーヴ・アレン・ショウのアリバイ 6.0 才人スレッサーなら、もう少し面白いオチを考えてほしかった。 1961-03-057
クェンティン・レナルズ 夢を見すぎた男 6.5 ちょっとした復讐話。 1957-08-014
義兄弟 5.0 なんでこんな作品が載るのだろう。 1959-01-031
殺人犯にご用心 6.0 ラストは少し面白いが、予想通りの終わり方だ。 1960-08-050
アーネスト・レーマン ほんとうの親友 6.0 戦友からの電話と待ち構える運命。 1964-04-094
ホーリイ・ロス 水晶の鏡 4.0 ヒステリックな妻に食い下がれる男。つまらない話。 1963-09-087
リチャード・ロックリッジ & フランシス・ロックリッジ 誰も言えない 6.5 ちょっと面白い趣向。 1958-04-022
誰にも失敗はある 5.0 あまり取り柄がない。 1959-08-038
夢の猫 5.0 猫の目の思いつきだけで書いた感じ。 1961-05-059
アーサー・ソマーズ・ロッシュ 市政浄化のために 5.0 一警部が市政改革のために巨悪を摘発するという何やら大げさな話。 1965-02-104
ジャック・ロンドン 獅子使いの男 5.0 なんでこんな作品が載っているのだろう。 1957-05-011
ジョン・ハーネッドの錯乱 6.5 闘牛場とバーネットの感情描写は迫力がある。 1961-04-058
若い娘たち 7.0 厳寒のアラスカを舞台にした追跡劇。ミステリ的な要素はないが、作者の筆は迫力がある。 1962-05-071
懸賞試合 3.0 正直言って、何を書きたいのか理解できない。 1962-10-076
ただの肉 5.0 最終ページが切り取られていた。結末がわからないが、大した話ではないと思う 1965-05-107
クレイトン・ロースン 天外消失 9.0 消失トリックだけでなく、犯人の設定も面白い。傑作でしょう。 1956-10-004
この世の外から 7.5 このトリックはマジックの本質を表したようなものだな。種を明かされると失望する。 1958-11-029
世に不可能事なし 7.5 トリックは大したことはないが、宇宙人の犯罪というギミックが面白い。 1959-05-035
奇蹟なんぞはいつでも起る 7.0 これまでのロースンの諸作では一番落ちるが、最後のひねりは楽しい。 1959-07-037
マーリニと嘘発見機 6.0 「読者への挑戦」問題編。50号の解答編をカンニング。これは気が付かないといけないかも。 1960-06-048
消えたダイヤモンド 7.0 「読者への挑戦第2弾」問題編。51号をカンニング。この隠し場所は面白い。しかし手が疲れるだろうな。 1960-07-049
音響効果殺人事件 5.5 解決編をカンニング。これはわかりません。 1960-08-050
ビリイ・ローズ 探偵物語 6.0 ページ見開きのちょっとした小話。 1961-05-059
疑う余地なし 8.0 2ページ程度のショートショートだが、オチが決まった。 1961-07-061
運は異なもの 6.5 ちょっとした趣向が面白いショートショート。 1962-10-076
フィリップ・ワイリー 雪嵐殺人事件 7.0 共同経営者殺しを着せられた男は秘書の力を借り事件の真相に近づく。あまり意外性はないが、こういう展開は好みだ。 1965-06-109
エスター・ワグナー 怪談O嬢物語 4.0 寄宿させた奇妙な娘をめぐる話なのだが、よくわからない展開にうんざり。 1965-07-110
ロイ・ヴィカーズ 男子専用 6.0 前半人物像がはっきりしない。長い割に謎解きも大したことなし。 1956-08-002
主義の女 6.5 女性の怖さがよく書かれている。 1957-01-007
ボートの青髭 4.0 こんな実話風のもののどこが面白いんだ。 1957-06-012
百万にひとつの偶然 6.5 この作家は好みでないのだが、この作品は悪くない。 1957-09-015
9ポンドの殺人 6.5 ちょっと面白い趣向。 1957-12-018
相場に賭ける男 6.5 この作家は読ませるのだが、意外性がない。 1958-03-021
鸚鵡のくちばし 6.5 迷宮課はなんとなく読ませる。 1958-06-024
デイシー事件 5.0 この作家は辛気臭い。今回は筋もよくつかめない。 1958-07-025
二重像 8.0 この作家にしては派手な設定で読ませる。でも終わり方は同じだ。 1958-09-027
失踪した妻 7.0 最後まで緊張感を保っている筆力には関心。 1959-07-037
鰐皮のケース 6.0 犯行が露呈する部分は、証拠として弱いんじゃないか。 1960-03-045
黄色いジャンパー 5.0 なんのひねりもない犯罪実話のようだ。 1960-06-048
べっこうの櫛 6.5 神経質な主人公と皮肉な結末が効いている。 1960-07-049
手のうちにある殺人 5.0 この作家の作風は、ラストにひとひねりないと面白くない。 1960-08-050
けちんぼの殺人 5.0 ただ淡々と事件が語られるだけで、なんの捻りもなく面白くない。 1962-02-068
絹糸編みのスカーフ 5.0 単なる言質を取っただけで決め手に欠ける。しかも暗い話でうんざり。 1962-10-076
罪なき者をさがせ 7.0 三人の容疑者のうち一人は無罪という設定が面白い。それを証明する部分は弱いが、最後まで読ませる。 1963-05-083
ヨーロッパでいちばんケチな男 6.5 ケチな男をペテンに賭ける話だが、後味が良いのが救いだ。 1963-09-087
真実味 5.0 犯行計画も杜撰だし、あばかれる過程もつまらない。 1963-11-089
ゴア・ヴィダル 駒鳥 4.0 よくわかりません。 1963-07-085
ビル・ヴィナブル 剽窃 7.5 アイディアを与えてくれる小人に出会った小説家は、精神科医に相談してみるが..。オチが愉快。 1964-01-091
S・S・ヴィーンダム ピンク家殺人事件 6.0 ヴァン・ダインパロディ特集その1。確かにヴァンスの話を長々と聞かされたら死にたくなるだろうな。 1963-05-083
ピエール・ヴェリ 法王のスープ 3.0 ユーモア物なのだろうが、しらけるだけの出来。 1964-02-092
三浦朱門 サイコロ 5.5 殺人計画が無駄になってしまう話だが、これも今ひとつ。 1960-01-002
三遊亭円生 百年目 6.0 圓生のこの演題は何回か聴いているが、まさかEQMMで読むことになるとは思わなかった。 1963-07-085
佐藤春夫 或るフェミニストの話 4.0 語り口は悪くないが、終わりが締まらない。大家にとりあえず書いてもらったということか。 1959-10-001
佐野洋 F氏の時計 5.0 奇妙なF氏の話だが、このオチではどうしようもない。 1960-01-002
断食錠 5.0 オチがつまらない。 1962-09-075
光瀬龍 人は人情によって死ぬ 4.0 救いのないつまらない話。 1962-12-078
加田伶太郎 女か西瓜か 5.0 リドルストーリーだが、「女か虎か」のように考えさせる要素に乏しい。 1959-10-001
サンタクロースの贈物 5.0 ラストの暗示が今ひとつ明確になっていない。 1960-01-002
加藤てい子 黒い霧を撒くのは誰 3.0 ノイローゼの男の幻想か。これもつまらない。 1960-04-003
十返肇 “中村一郎”の話 4.0 同姓同名に殺意を抱くという設定だが、あまり面白くないし、何のオチもない。 1960-01-002
和久一 円空の鉈 7.0 ラストが少しごたついていて、せっかくのどんでん返しが効いていない。惜しい作品。 1963-09-087
土井稔 会議は踊る 5.0 不法な遺産分配の話なのだが、ラストを含めて面白くない。これが第1席入選作とは呆れる。 1965-03-105
ある女の兇器 3.0 何というつまらない出来。 1965-07-110
少年の終り 4.0 たいした趣向でもないのに、ダラダラと長すぎる。EQMM佳作受賞から三作目だが、だんだん悪くなるな。 1965-12-115
城山三郎 “奴等” 5.0 緊張感ある発端なのに、そこから尻すぼみでおしまい。 1960-04-003
多岐川恭 7.0 母の死を疑う少女と、蝶のイメージがうまくミックスされている。 1960-01-002
おとなしい妻 4.0 これも生臭い話で好感が持てない。ここまでつまらない話ばかり。うんざりだ。 1960-04-003
安永一郎 恥目家の亡霊 5.0 英訳して恥をかかないで良かった。 1960-08-050
富島健夫 犬の幽霊 6.0 貧乏くさくて暗い話だが、最後のひねりだけは悪くない。 1960-07-004
寺崎浩 2.0 思わせぶりだけで、全くつまらないスパイ物。それなりに長いし最悪だ。 1960-07-004
小松左京 Mは2度泣く 8.0 これは最高におかしい。ラストのオチなど吹き出してしまった。 1965-05-108
山口瞳 野守は見ずや 6.0 さすがに文章はうまくスムーズに読めるのだが、ショートショートには収めきれない。 1963-02-080
山川方夫 三つの声 6.0 ピラニアを使った殺人計画は皮肉な方向に。 1964-10-100
赤い手帖 4.0 男女の筆談ノートを拾った男。盛り上がりのないつまらない話。 1965-06-109
岩田宏 男の肋骨 3.0 わけのわからんつまらない話。 1963-01-079
島田一男 鉄道公安官 7.5 さすがに巧者、話の進め方がうまい。当時の鉄道の状況もファンには楽しい。 1959-10-001
環状墜道 7.0 今回も快調な公安官物。とにかく楽しく読めます。 1960-01-002
通票閉塞区間 7.0 快調に進む鉄道公安官物三作目。取ってつけたような解決だが、何はともあれ面白く読める。まわりのレベルがレベルなので、光って見えます。 1960-04-003
川上宗薫 4.0 これもぱっとしない話。 1960-07-004
広乃美智 一片の真実 7.0 愛人の夫に招かれた男は、冤罪を着せられるはめとなる。ラストは面白いのだが、もう少し効果的に書いてほしかった。惜しい。 1965-05-107
廣乃美智 秋の鐘 5.0 突然別荘を訪れた男は妻の不貞を疑う。設定は面白いのにラストに切れがない。 1965-08-111
新章文子 銹びた恋 5.0 これも暗い話で、救いがないのが嫌になる。 1960-04-003
日影丈吉 眠り草は何を見る 6.5 謎の死体は機械による殺人のようだが..ラストは予想できてしまう。 1960-01-002
単位の喪失 7.5 迷い込んできた犬と、郵便強盗の話がうまくマッチして、面白い出来になっている。 1960-07-004
早坂久子 薄明の時 2.0 何が書きたいのだ。我慢も限界に近づいたぞ。 1960-04-003
星新一 汚れている本 5.0 本を巡る思わせぶりな話。 1962-07-073
曽野綾子 女はなんのために死ぬか? 4.0 虚栄心に固まった女の話で、これまたつまらない。 1960-04-003
朝倉三郎 作中人物 5.0 EQMMコンテスト佳作だが、予想通りの展開で平凡な出来。とても入選できる内容ではないし、佳作ですらおこがましい。 1963-10-088
村みつる 6.5 語り口は悪くないが、結末をもう少しひねって欲しい。 1961-10-064
横山藤衛 くらがりの男への手紙 6.0 ちょっとしたひねりはあるが、大した出来ではない。入選は難しいですね。 1960-09-051
樹下太郎 無能な犬 5.0 同期の課長への殺意はつまらない誤解だったという話。 1960-07-004
飛行船 6.0 ちょっとしたファンタシーか。 1962-11-077
水上勉 4.0 話として完結していない。作者には『耳』という長編があるがその序章なのか? 1960-04-003
河野典生 森の館 4.0 思わせぶりなだけで面白くもない。 1963-05-083
生島治郎 男か? 熊か? 6.5 日本代表ミステリー選集02 犯罪エリート集団(中島河太郎 権田萬治編)で読了済み 1964-10-100
田中小実昌 海は眠らない 6.5 調子良く進むストーリーだが、過去との関連がうまくない。 1959-10-001
犯人はいつも被害者だ 5.0 軽快な語り口だけが取り柄。 1960-01-002
たたけよさらば 6.0 自分を殺した犯人を見つけるという趣向は面白いが、謎そのものがなく、単なる風俗ものだ。 1960-07-004
幻の女 2.0 くだらない話をダラダラ聞かされる身になってほしい。 1964-10-100
田岡典夫 背教者レアン 5.0 背教者の話だが、その動機がありふれていてつまらない。 1960-01-002
おれは月の出を見た 3.0 こんな作品を載せてどうする。 1960-07-004
由起しげ子 ある殺意 3.0 陽気な語り口だけが取り柄。 1960-04-003
白井竜三 渦の記憶 6.5 脳医学をベースにした作品。ラストはそれなりに理解できるが、あまり効果的ではない。 1960-07-004
白岩義賢 残像 4.0 このオチは何が言いたいのだろう。 1964-10-100
眉村卓 ピーや 6.0 猫の怪談。悪くはない。 1963-03-081
石川喬司 いつでも夢を 5.0 この手のオチは現代では無理でしょう。 1963-04-082
京子の家 4.0 古臭くつまらないブンヤ物。 1964-10-100
福島正実 もどす 4.0 これまた何の面白みのない話。 1963-06-084
稲葉由紀 心天斬魔剣 4.0 全くつまらない。 1961-07-061
笹沢左保 殺してやりたい 7.0 失恋した女はタクシーの落とし物に書かれていたメッセージを気まぐれに追う。さすがに展開がうまい。 1960-07-004
結城昌治 寒中水泳 5.0 これが受賞作とは。この作家のその後が奇蹟だ。 1959-07-037
天上縊死 6.5 首吊りの会という設定は面白いが、結末がいささか冴えない。 1959-10-001
長すぎたお預け 7.0 盗賊の仲間割れの顛末だが、それぞれの視点からの記述が面白い。 1960-01-002
その名は言えなかった 6.0 多情と思われた女の殺人事件。証拠が曖昧で今ひとつ冴えない。 1960-04-003
うまい話 7.5 軽妙なタッチから最後は怪談風。少し検討はつくもののよくできている。成長したなあ。 1960-08-050
七五郎女難 7.0 ペリー・メイスン物との連携で楽しく読めた。 1961-07-061
かなしい二人 7.0 少し微妙だが、予想外のオチが面白い。 1962-08-074
膳哲之助 死者には夢を 7.0 佳作。皮肉なラストまで面白く読める。 1961-09-063
菊村到 きみも気をつけたまえ 4.0 よくある妻と愛人の共犯話。 1960-04-003
都筑道夫 小説エラリイ・クイーンズ ミステリ・マガジン(注) 5.0 はっきり言って見劣りします。 1960-08-050
昔むかしの少しあと 7.5 カチカチ山殺人事件か。笑えます。 1962-10-076
盗むたのしみ 6.5 落語のような話だが、さすがに読ませる。 1964-10-100
000奇々怪々 7.0 講談風仕立ての007物パロディ。さすが都筑、よく出来ています。 1964-12-102
開高健 7.0 イワナの穴場で出会った釣人二人。中盤までは緊張感があって面白いのに、ラストにひねりがないのが残念。ダールだったら、どんな結末をつけただろうか。 1959-10-001
青木秀夫 0004号は死の番号 3.0 つまらんパロディ。 1965-05-107
飯沢匡 長い長いトンネル 5.0 いつまだ経っても抜けられないトンネルという題材は面白いのに、オチがついていない。 1960-01-002
高橋泰邦 殉職 7.0 海難事故の予備審問がうまく描かれている。意外性の設定には少し無理があるが、志は良し。 1959-10-001
誤差一分 7.0 作者得意の海洋物。確執を含む人間関係と嵐の中の展開が良く出来ている。 1960-01-002
マラッカ海峡 6.0 毎回読ませる海洋物だが、今回は結末がいささか雑すぎる。 1960-04-003
大暗礁 7.0 開運事故に乗じて出世欲を満たそうという男の陰謀と、救出に当たる男の正義感が良い。専門知識に裏打ちされた迫力ある描写もなかなかのもの。 1960-07-004
??? しゃれの秘密 5.0 作者がわからないようにつまらん作品を選んだのか。(注) 1960-09-051